お泊りデイの現状について

お泊りデイは、通常の日中のみのデイサービスの利用時間帯が夜まで拡張されたものです。連続して利用することも可能なので、1ヶ月以上お泊りデイサービスを利用する老人もいます。特別養護老人ホームの入居希望者が、空きがなくて入れない場合などショートステイの形で利用することが多いです。

しかしこれまでお泊りデイは、介護保険の管轄外のために行政機関の厳しいチェックが入りにくいという欠点がありました。仕切りがない狭い部屋に多人数を押し込めるといったように、杜撰な管理のもとに運営される事例が多発したのです。

そこで2015年にお泊りデイサービスのガイドラインが定められ、行政機関からの指導が始まりました。これにより、個人の寝るスペースに仕切りを設置することが義務化したり、一人あたりの占有スペースが定められたりして、過ごしやすくなりました。

一方でお泊りデイサービスは介護保険の適用はないため、介護の必要性が高い利用者ほど、利用料金が高くなってしまいます。すると介護の負担が大きい家庭の老人は、本来お泊りデイサービスを利用したいのになかなか利用できず、家族の支援が必要ない元気な老人が利用しやすいという矛盾が生じてしまっています。

ちなみにお泊りデイサービスを利用する際には、複数の施設を見学して快適性や安全性をチェックするべきです。具体的には、介護の専門家のケアマネージャーに施設を紹介してもらい、非常時に利用者を誘導できるだけの職員が夜も配置されているか、利用者一人当たりのスペースが十分確保されているか、など細かい項目について調査してから利用を考えた方が良いでしょう。